そうねんのんびり創作記

のんびり作ったものをのんびり紹介します。

煌めくエクリプスガンダム制作記(2) パーツ処理のツール紹介

バラバラにしたパーツを一つずつ処理していきます。それぞれの処理に使っているツールも紹介していきます。

 

エクリプスガンダムパーツ処理

エッジ出しです。エクリプスは尖ったパーツが多いので、一つずつ先端を尖らせていきます。写真は、シールドのパーツで、右半分が処理したものです。

 

エクリプスガンダムパーツ処理

脛ガードですが、飛行形態では機首にあたります。原型はエッジが落としてあるので、鋭く削り出しました。写真では、上が処理前、下が処理後です。

 

エクリプスガンダムパーツ処理

平面部分はわずかなヒケにヤスリ掛けをして平面に処理していきます。肩アーマーのこのパーツは、面出し兼エッジ出しをおこないました。上が処理前、下が処理後です。

 

 

面だし、エッジ出しにはクレオスさんの匠之鑢油目を使っています。サフを吹くならば、この金属ヤスリのみで仕上げとしています。体感では紙やすりの800~1000程度の仕上がりになるように感じていますが、そのうちしっかりと検証してみたいです。

 

エクリプスガンダムパーツ処理

長い範囲のエッジを際立たせたいときは、デザインナイフでカンナ掛けをして処理しました。上が処理前、下が処理後です。カンナ掛けのあと、1000番の紙やすりでヤスリ掛けしました。

 

エクリプスガンダムパーツ処理

各パーツのモールドはすべて彫りなおしました。C面はデザインナイフでカンナ掛けしてエッジを強調しています。左が処理後、右が処理前です。

 

 

スジボリにはファンテックさんのスジ彫りカーバイドを使っています。替え刃は0.1mm、0.15mm、0.25mm、0.6mmを使い分けています。細かい場所や曲線はハセガワさんのケガキ針も便利です。

 

エクリプスガンダムパーツ処理

貼れるところには、できるだけガイドテープを貼っています。一手間ではありますが、結局はみ出し等の事故を防ぐことで修正に時間を取られずにすむので、トータルでは時間短縮になっているように思います。

 

エクリプスガンダムパーツ処理

この先端はパーツが分割しているように塗装しようと思っています。色の境目にスジボリを加えておくと、よりはっきりと別パーツ感が出るので好きです。

 

エクリプスガンダムパーツ処理

カンナ掛けとヤスリ掛けでアンテナもシャープ化しました。右半分が処理後です。ここから、左右対称に処理するのが難しい!

エクリプスガンダムパーツ処理

左右対称を目指して、少し削っては見比べ、少し削っては見比べを繰り返し、何とか納得する形にできました。

 

エクリプスガンダムパーツ処理

このキットは目立つ肉抜き穴はほとんどないのですが、数か所気になったところは埋めておきます。

 

 

肉抜き穴にはウェーブさんから出ているポリパテを使っています。パテと硬化剤を混ぜるのは、布テープの上でやると便利です。爪楊枝で硬化剤を少しずつ混ぜて使っています。

 

エクリプスガンダムパーツ処理

1日硬化させればデザインナイフとヤスリでサクサク削れます。

 

エクリプスガンダムパーツ処理
全てのパーツのモールド彫りなおし、面だし、エッジ出しを終え、最近導入した超音波洗浄機で洗いました。少し前まではすべて歯ブラシで手洗いしていたのですが、時間はかかるわ腰は痛くなるわ・・・。本当に買ってよかったと思えるツールの一つです。メガネを洗うのにも便利です。

 

 

比較的安くて、容量が多く、コンセントケーブルが着脱式という理由でこちらの機種を購入しました。本当は洗浄部が取り外せるタイプが欲しかったのですが、ちょっと予算オーバーだったのです(--;

 

すべてのパーツを処理するのに結局1か月以上かかりました。すべてのパーツ一つ一つに時間をかけて向き合うので、すべてのパーツが記憶に残ります。時間はかかりますが、その分だけ作品に愛着が増していく楽しい時間です。

 

パーツの処理をしながら、大まかな塗装プランも整いました。次回は塗装です。

煌めくエクリプスガンダム制作記(1) 全パーツをばらして整理

MGはHGやRGに比べてパーツが大きいので外しやすいかと思いきや、ダボが大きい分しっかりとかみ合っていてなかなか外れてくれませんでした。今回、変形機構もあってどのダボ穴が可動用なのかわかりにくかったので、素組の際にダボ穴処理をしなかったんですよね。

 

また、昔よりもプラスチックが柔らかくなっている気がします。その分しなやかな強さがでて、より力強くはまっているように感じました。

 

そこで、こんなものを使ってみました。

パーツオープナーを使ってみた

ウェーブさんのパーツオープナーです。正直に言います。実はずっと、「別に手で外せるからいならいかな~」と思っていました。出張先でみつけた模型店にて、何も買わずに店を出るのも申し訳ないと思ったときに、たまたま安く売っていたものを購入しただけなのです。そんなわけで、長らく使わずに道具箱の隅で眠らせていました。

 

パーツオープナーを使ってみた

変形後のエクリプスガンダムです。変形機構もあって、パーツの組み合わせはやや複雑です。説明書の逆手順で、パーツオープナーですべてのパーツをはずしていきます。

 

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とりあえず外しやすそうなところから試してみます。がっちりかみ合っていて、手で外すとなるとつかみどころがなかったり、片側にだけ力がかかってパーツが曲がったり折れたりするのが怖いところですが・・・、

 

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パーツオープナーなら楽勝です。すみません、その力を見くびっておりました。本当に買ってよかったです。力はいらないし、指は痛くならないし、爪は痛まないし、パーツはずしの時間と労力が体感的には半分以下になりました。

 

パーツオープナーを使ってみた

無理に外装をはがそうとすると、別のパーツに思わぬ力がかかってしまいそうな構造もあります。往々にして、壊すのはこんなところを無理に外そうとしたときなんですよね。

 

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そんなときは、隙間を見つけてグイっとパーツオープナーを差し込んで、少しずつ隙間を広げていきます。

 

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パーツオープナーは隙間に金属刃を突っ込んで外します。その刃がなかなか鋭くて、入りにくいところに無理に押し込むとこのようにそれなりに傷がつきます。目立たないところに使うよう注意は必要です。

 

とはいえ、一度便利さを知ってしまうと、もう手放せない。そんな、とんでもなくコスパのよいツールでした。

 

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すべてのパーツをランナーごとに仕分けしました。MGでも、100均のケースに入り切ってしまうんですね。

 

次はパーツを一つずつ処理していきます。

煌めくエクリプスガンダム制作記(序) 素組とゲート処理方法を紹介

 発売からしばらくたって、ネット通販では大分値段が落ち着いてきましたが、いまだに店頭ではほとんど見かけることがないMGエクリプスガンダム。実は発売当初、どうせ店頭では見かけないだろうと諦めており、積極的に購入する気はありませんでした。

 ところが、発売日の翌日にふらっとたちよったお店で偶然在庫を見つけてしまい、運命の出会いかと思って衝動買いしてしまいました。

 

組み立て途中の模型をそっちのけで素組してみました。最近のゲート処理方法を紹介します。自己流なので参考までにお願いします。

 

エクリプスガンダム素組

まずは、すこしランナーを残してパーツを切り出します。

 

エクリプスガンダム素組

次にパーツを傷つけない程度のぎりぎりのところでランナーを切り離します。最近ようやく、アルティメットニッパーを入手しました。切るというより、斬るという表現がぴったりくるのですが、こうなるとパチンッという音が恋しかったりもします。

  

 

エクリプスガンダム素組

バリという表現はもう古いのでしょうか。ゲート跡はヤスリで整えます。使っているのはクレオスさんの匠之鑢油目(仕上げ用)です。この金属ヤスリを使うようになって、ヤスリ掛けの時間が劇的に短縮されました。個人の感想ですが、体感的に800番~1000番程度の仕上がりに見えるので、サフを吹く予定のときこれで仕上げにしています。紙やすりの番手との比較はそのうち検証してみようと思います。

 

エクリプスガンダム素組

鑢を掛けるとパーツの淵に削りカスが残ることがあるので、デザインナイフを使ってカンナがけの要領で削り落とします。ついでにパーティングラインも処理していきます。

 

エクリプスガンダム素組

この処理を全パーツに行いました。

 

そして組みあがったエクリプスガンダムがこちらです!

 

エクリプスガンダム素組

おお・・・♪

 

エクリプスガンダム素組

これは・・・!

 

エクリプスガンダム素組

思っていたよりもずっとカッコいいぞ!!

 

エクリプスガンダム素組

Seed系のイケメンガンダムです。

 

エクリプスガンダム素組

全体的に尖った印象で、シャープなフォルムが強そう!

 

エクリプスガンダム素組

要所要所にチラ見できる内部フレームもいい感じです。

 

エクリプスガンダム素組

そして大好きなのはこの巨大ライフル!巨大武器にはロマンがあります。

そしてこのエクリプスガンダム最大の特徴はモビルアーマー形態への変形です。

 

エクリプスガンダム素組

MA形態に変形させてみました。ムサイを連想するのは私だけでしょうか?

 

エクリプスガンダム素組

MA形態でも、後ろ姿に魅力を感じます。この角度、イイ感じです。

 

エクリプスガンダム素組

腕は飛行機のエンジンのような形状に変形します。

 

エクリプスガンダム素組

足のように見えますが、実はこの先端部はすねのアーマーなんです。この中に小さくとがった足が収納されています。

 

エクリプスガンダム素組

差し替えなしの変形機構を持ちながら、スタイルの良さは抜群です。蛍光クリアパーツのビームエフェクトとアクションベースが付属ています。

 

エクリプスガンダム箱絵

日食を背負った箱絵がまたカッコいいんです。影を背負いつつも、力強い煌めきがある極秘開発のモビルスーツって感じです。

 

今回はこの箱絵のイメージで全塗装してみようと思います。

 

 

つや消し塗料と汚し塗装の組み合わせサンプルを作る(2) ウェザリング塗装につや消し

つや消し塗料の比較が終わったので、いよいよ本命、汚し系塗料(以下ウェザリング塗料)とつや消しトップコートの相性について検証しました。

 

詳しい塗装条件や、つや消しクリアーの比較は過去記事を参照してください。

<過去記事>

〇つや消し塗料と汚し塗装の組み合わせサンプルを作る(序) 塗料選択と塗装作業

〇つや消し塗料と汚し塗装の組み合わせサンプルを作る(1) つや消しクリアーを比較

 

基本色としてガイアノーツさんのアルティメットブラックを塗装したスプーンに、ウェザリング塗料を乗せました。今回試したウェザリング塗料は次の3つです。

ウェザリング塗装につや消しサンプル

画面右半分

→Mr.ウェザリングカラーマルチホワイト

画面左下

タミヤエナメル塗料XF-2フラットホワイト

画面左上

タミヤウェザリングマスター(Bセット)スノー

 

 

なお、つや消しクリアーのうすめ液にはクレオスさんのレベリングうすめ液、水性ホビーカラーうすめ液、ガイアさんのブラシマスターを使用しています。検証の結果、ウェザリング塗料に対するうすめ液による差も感じたので、結果に併記していきます。

 

 

結果

まずは一覧でご覧ください。

ウェザリング塗装につや消しつや消し塗料比較表示

ウェザリング塗装につや消しA ウェザリング塗装につや消しB ウェザリング塗C

ウェザリング塗装につや消しD ウェザリング塗装につや消しE ウェザリング塗装につや消しF

ウェザリング塗装につや消しG ウェザリング塗装につや消しH ウェザリング塗装につや消しI

それでは1つずつ確認していきます。

「うすめ液の種類」

ウェザリングカラーマルチホワイト(右半分)

②エナメルフラットホワイト(左下)

ウェザリングマスター(B)スノー

の順に肉眼での見え方の感想を書いてみます。写真と多少ギャップがあるので、参考程度にご覧ください。

 

A:クレオスMrトップコートプレミアムクリアーつや消しスプレー

ウェザリング塗装につや消しA

①筆目の濃淡が大きくなり、筆目が目立つようになりました。全体的に白色が沈んでしまった結果、濃い部分だけが残った感じでしょうか。

②全体としてぼやけた印象になりました。濃淡の境目がグラデーションのようになりました。

③面に乗っていた粉はほぼ吹き飛んでしまい、跡形もありません。エッジに多量に乗っていた部分のみかろうじて残っています。

 

B:クレオスC182 スーパークリアーつや消し

ウェザリング塗装につや消しB

うすめ液「クレオスレベリングうすめ液」

①つや消し前と比べて筆目が目立つようになりました。薄く塗料が乗ったところが消え、濃いところだけが残った印象です。

②つや消し前とつや消し後で印象があまり変わりません。全体的に少し白味が増し、下塗の黒がぼやけました。全部の組み合わせの中で、一番つや消しクリアーによる変化が少なかったように感じます。

③細かい粉は飛んでしまったものの、うっすらと粉っぽさが残りウェザリングの体裁を保っています。しかし、ウェザリングマスターの粉末が乗っていたところだけ不自然にざらついた印象になっています。その部分だけ塗料のノリが悪くなったような感じです。写真左上の傷のように見える部分なのですが、傷ではなく塗装面が荒れている様子です。汚したというより、失敗したようにみえます。

 

C:クレオスGX114 スーパースムースクリアーつや消し

ウェザリング塗C 

うすめ液「クレオスレベリングうすめ液」

①全体的に溶け出して、筆目が乱れ、塗料が流れたような跡が見られました。写真下端の白くなっているところは、光の反射ではなく白い塗料が窪みに溜まっている様子です。(B)と同じ乾燥時間、同じうすめ液で試しています。塗料の差なのか、局所的に吹き付け過ぎたなどの技術的な問題なのかはわかりませんが、ウェザリングカラーがラッカー塗料によって浸食されることはよくわかりました。

②(B)と大きな差は感じません。エナメル塗料はラッカーで重ね塗りは避けた方がよいと言われますが、完全乾燥させた後であればウェザリングカラーよりも耐性が高いように感じました。

③薄く粉が乗っていた部分はほぼ見えなくなってしまいましたが、ある程度の粉っぽさは残っています。ただ、(B)と同様に塗料のノリが悪くなり、塗装に失敗した感が出てしまいました。

 

D:ガイアノーツEX04フラットクリアー

ウェザリング塗装につや消しD 

うすめ液「ガイアブラシマスター」

①(B)、(C)と比べると、解けて流れた感じはしません。ただ、これまで同様やはり濃淡のコントラストが際立ち、筆目は強調されました。特徴的だったのは、乾燥後、ウェザリングカラーの塗膜がひび割れたことです。これは、次の(F)でも同様の現象が見られました。一方、塗料が溶けて流れたような形跡は見られませんでした。

②濃い部分も薄い部分も総じて淡い印象に落ち着きました。汚し塗装としての効果は半減するものの、全体として馴染んだ印象になったので悪くありません。はっきりと色味は薄くなりました。これをコントロールできれば、いい味が出せそうな印象はあります。

③(A)と同じようにはっきりと薄くなりました。スプーンの淵にかろうじて残っている程度です。しかし、こちらの場合は塗料のノリが悪くなるという印象はありませんでした。ウェザリングマスターが乗っていたところも、ムラなくコートできています。

 

E:ガイアノーツEX04フラットクリアー+クレオスH189フラットベースなめらかスムース

ウェザリング塗装につや消しE   

うすめ液「ガイアブラシマスター」

①(D)同様に解けて流れた感じはしません。(D)よりも照り返しが少ない分、白い塗料が鮮やかに見えます。しかし、(D)同様に乾燥後にウェザリングカラーのひび割れが発生しました。この辺り、うすめ液の性能の差を感じます。実はこのひび割れが発生したのは(D)と(E)のみで、いずれもガイアさんのうすめ液を使ったときでした。

②(D)と比べて照り返しが少なくなったことにより、白味が増したように見えます。溶けて流れるような様子は見られませんでした。淡くグラデーションが残る感じと白さの残り具合としては、エナメル塗料の残り方としては一番バランスが良いように感じました。

③照り返しが弱くなった分、粉末の残骸を確認することができました。つや消し塗料の下に埋もれてしまった感じでですが、細かい粉末がうっすらと残りかすかに白さが残っています。沢山つけた上からコートすることで一定の汚し効果は得られそうです。

 

F:クレオスGX114 スーパースムースクリアーつや消し(Cより高濃度)

ウェザリング塗装につや消しF 

うすめ液:クレオスレベリングうすめ液

①全体的に溶け出して、筆目が乱れ、塗料が流れたような跡が見られたのは(C)と同様です。(C)よりもつや消しクリアーが高濃度のため、黒部分の白味が増した分コントラストは低くなったように見えます。

②①同様、(C)よりもつや消しクリアーが高濃度になった分、黒部分の白味が増し、その分エナメル塗料の白はやや沈んで見えます。しかし、照り返しがなくなったことで輪郭ははっきりした印象です。エナメル塗料に対する侵食は見られず、上手くぼやけて汚し塗装としてはいい感じです。

③照り返しが小さい分、粉っぽさを残しつつもぼやけた感じに汚し塗装が残っています。乗せた塗料の量に対して残る粉は非常に少ないものの、うっすらと残したいときにはありかもしれません。

 

GとH:クレオス水性ホビーカラーH20 つや消しクリアー

Gウェザリング塗装につや消しG 

Hウェザリング塗装につや消しH

うすめ液「水性ホビーカラーうすめ液」

①全体的に少しずつ溶けてにじんでいるように見えます。塗装した淵に塗料がたまっているのが分かります。水性ホビーカラーは下地を溶かすことが少ないと思っていたのでこれは意外でした。

②エナメル塗料を塗った時の状態が比較的保たれているように思います。筆目が不自然に浮き出ることも、ぼやけすぎることもなく、作った姿をそのまま保存したいときにはベストの組み合わせだと感じました。

ウェザリングマスターの塗料は、ラッカー系と比べると圧倒的な量残っているのですが、流れてしまっているように見えます。また、(G)や(H)に見られる波線は前回のつや消しクリアーのみでもわずかに表れていたものなのですが、ウェザリングを施すことによってそれが倍増しました。水性つや消しクリアーの難しさをさらに痛感したサンプルになりました。

ウェザリングなしのつや消しクリアーの結果については過去記事を参照してください。

<過去記事>

〇つや消し塗料と汚し塗装の組み合わせサンプルを作る(1) つや消しクリアーを比較

 

I:クレオス水性ホビーカラーH30 光沢クリアー+H104プレミアムフラットベース

ウェザリング塗装につや消しI 

うすめ液「水性ホビーカラーうすめ液」

①若干溶けてにじんでいるように見えますが、筆目が大きく目立つこともなく塗装自体は安定しているように見えます。(C)のように溶けて広がっていったり、(D)のように割れたりすることはなさそうです。

②白い塗装部分の下部が色濃くなっているのはもともとのエナメル塗装が下に流れて乾いてしまったためです。筆で厚塗りしすぎたのと、乾燥時に立てて置いてあったのが原因です。しかし、そんな元々の塗装の粗がそのまま保存されています。

③(G),(H)と同じうすめ液を使ったのですが、今回はそこまで流れた印象はありません。ただし、粉っぽさも失われ、スプーンの淵にわずかに残るのみとなりました。こうなると、(G),(H)の結果はうすめ液に溶けて広がったものとは思えません。正直なところ、(G),(H)で何が起こっていたのかは本当によくわかりませんでした。

 

以上、長くなりましたが、今回の結果でした。簡単にまとめると、

1.つや消しクリアーを吹くと、組み合わせによらず汚し塗装は総じて色味が淡くなった。場合によっては見えなくなった。

2.ウェザリングカラーはつや消しクリアーによって溶けたり割れたりすることがあった。

3.エナメル塗料は思っていたよりラッカー溶剤への耐性が強かった。

4.ウェザリングマスターはエアブラシによって吹き飛んでしまった。

5.水性つや消しはウェザリングカラー、エナメルともに安定する可能性が高いが、要練習。

 

まだまだ、汚し塗料についての自分なりの最適解は見つかっていませんが、この辺りを目安に、これからも汚し塗装について自分なりの方法を模索していこうと思います。あくまでも個人の感想で恐縮ですが、何かの参考になれば幸いです。

 

さ~て、次は何を作ろうかな。

 

おまけ

ウェザリングマスターは塗装というよりも粉が乗っているだけです。そこで、つや消しクリアーを吹く前に、ティッシュウェザリングマスターを拭き取ってみました。スプーン左上の隅にご注目ください。

ウェザリング塗料のふき取り ウェザリング塗料のふき取り

(左)ふき取り前 (右)ふき取り後

なんということでしょう、粉の一かけらも残らずにきれいさっぱりなくなってしまいました。これならば、エアブラシでシューっと吹けば飛んでいったり、流れていってしまったのは納得です。

 

そうねんはプラモデルを作っても部屋に飾ってあるだけなので、ウェザリングマスターで汚したところに触らないようにすれば済む話です。とはいえ、あまりにも簡単に剥がれてしまうのはもったいないので、少しは保護できるようになりたいとも思います。つや消しで表面を荒らしてからウェザリングマスターを乗せればもう少し定着するような気がするので、そのうち試してみようと思います。

つや消し塗料と汚し塗装の組み合わせサンプルを作る(1) つや消しクリアーを比較

まずは手持ちのつや消しクリアー塗料を改めて比較してみようと思います。塗装条件等は過去記事を参照してください。

<過去記事>

〇つや消し塗料と汚し塗装の組み合わせサンプルを作る(序) 塗料選択と塗装作業

 

今回試してみるつや消しクリアーはこちらです。これらの塗料と、スプレーのトップコートも1点比較します。

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以下、A~Hとします。それぞれの説明は後述します。

A:クレオスMrトップコートプレミアムクリアーつや消し(スプレー)

B:クレオスC182 スーパークリアーつや消し

C:クレオスGX114 スーパースムースクリアーつや消し

D:ガイアノーツEX04フラットクリアー

E:ガイアノーツEX04フラットクリアー+クレオスH189フラットベースなめらかスムース

F:クレオスGX114 スーパースムースクリアーつや消し(Cより高濃度)

G:クレオス水性ホビーカラーH20 つや消しクリアー

H:クレオス水性ホビーカラーH20 つや消しクリアー(Gより低濃度)

I:クレオス水性ホビーカラーH30 光沢クリアー+H104プレミアムフラットベース

※FとH以外は、すべて1.5mLのうすめ液に約0.2mLの塗料を加えています。

 

結果

比較しやすいように並べて一覧にしてみました。

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つや消し塗料比較A つや消し塗料比較B つや消し塗料比較C

つや消し塗料比較D つや消し塗料比較E つや消し塗料比較F

つや消し塗料比較G つや消し塗料比較H つや消し塗料比較I

実際にスプーンを並べて眺めてみると、一つずつ表情が違っていて面白かったです。それでは、一つずつ見ていこうと思います。

 

設定紹介

A:クレオスMrトップコートプレミアムクリアーつや消しスプレー

つや消し塗料比較A  

エアブラシ導入前に一番使っていた、スプレー缶のプレミアムクリアーつや消しです。スプレー缶のつや消しの中では一番きめが細かいと感じて、お気に入りでした。空き缶が大量生産されることから、エアブラシ導入を決心しました。エアブラシへの移行については過去記事で紹介していますので、よかったら参照してください。

<過去記事>

〇塗装ブースを自作してみた(0) エアブラシ導入へ

2年も前の記事ですが、このころからの自分の変化はメテオを卒業したことです。

 

B:クレオスC182 スーパークリアーつや消し

つや消し塗料比較B

スプレーに比べてさらにきめが細かく、光源の輪郭がまったく見えなくなるくらいしっかりとつや消しに仕上がっています。光の照り返しがぼんやりと白んでおり、落ち着いた雰囲気になりました。

 

C:クレオスGX114 スーパースムースクリアーつや消し

つや消し塗料比較C 

スーパークリアつや消し(B)と比較すると、きめ細やかにつや消しになりつつも、光の照り返しはやや強めです。その分、光の反射があるところとないところのコントラストが効いています。すこしギラつきを残したいときによい雰囲気が出そうです。うすめ液1.5mLに約0.2mLの塗料を加えたのですが、もっと濃くしたバージョンをFで後述します。

 

D:ガイアノーツEX04フラットクリアー

つや消し塗料比較D 

ガイアさんのつや消しクリアーです。特にメタリック塗料で感じていたことなのですが、ガイアさんの塗料は、光の反射がうまく演出されてギラツキがでてカッコいいです。つや消しも同じ印象を受けました。きめの細かさはCで紹介したGX114と同等ですが、照り返しはこちらの方が強く出ています。黒系の機体で、凄みを効かせたいときに、よい雰囲気を出してくれそうです。

 

E:ガイアノーツEX04フラットクリアー+クレオスH189フラットベースなめらかスムース

つや消し塗料比較E   

何かの記事で読んで、試してみたらすごくよかったのがこの組み合わせでした。ガイアさんのEX04フラットクリアーの瓶には、ちょうどH189フラットベース一本分が丸ごと入る空き容量があります。そこへフラットベースを丸ごと投入し、これでもかというくらいかき混ぜたものです。フラットクリアー単体(D)に比べるとしっとりきめ細かく、程よく照り返しもあってとてもいい雰囲気です。写真の雰囲気としてはGX114スーパースムース(C)に近いのですが、肉眼ではより強くコントラストが効いているように感じます。

 

F:クレオスGX114 スーパースムースクリアーつや消し(Cより高濃度)

つや消し塗料比較F 

前述(C)のGX114を高濃度で試しました。(C)で照り返しが強く出たのは濃度が薄すぎたためとも感じたからです。今度はうすめ液と塗料が約1:1です。思った通り、(C)の濃度と比べて照り返しはかなり穏やかになりました。C182スーパークリア(B)よりもきめが細かく、その分程よく光を反射して大人の落ち着きを感じます。こちらが本来のこの塗料の力なのかもしれません。

 

GとH:クレオス水性ホビーカラーH20 つや消しクリアー

Gつや消し塗料比較G

今回、水性つや消しの難しさを痛感しました。B~Fまでのラッカー系と同じように吹いたのですが、光源の輪郭が見えるくらい、つやの消え方は不十分です。また、なぜか白い汚れが浮き出ています。前者は濃度が低すぎるため、後者は濃度が高すぎるためにおこる現象のように見えたのですが、正直よくわかりません。そこで、ひとまず濃度を落として試してみることにしました。それが次の(H)です。

Hつや消し塗料比較H

当然のことながら、Gよりもさらにはっきり光源が映り込み、もはやつや消しとは言えない状況になっています。また、G同様の白い汚れがやはり目立ちます。逆にもっと濃い条件が必要だったのかもしれませんが、それについてはまた別の機会に検証してみようと思っています。

 

I:クレオス水性ホビーカラーH30 光沢クリアー+H104プレミアムフラットベース

つや消し塗料比較I 

水性ホビーカラーの光沢クリアーにクレオスさんのプレミアムフラットベースを約2mL(体積比で約20%)混ぜたものです。実は、スプレーを使わなくなってからしばらくはこれをトップコートとして使っていました。スプレー缶の中身に一番近いと思ったからです。しかし、とある模型店で聞いたのですが、プレミアムフラット系はもう生産中止になっているそうです。なので、今回は参考程度に載せておきます。濃度が少し低いようにも思いますが、仕上がりの印象はAのスプレーに一番近いものになっています。

 

一言につや消し塗料といっても、一つ一つ特徴があり、求める仕上がりによって使い分けができそうです。好みも分かれるところだと思うので、皆さんの塗料選びの参考になれば幸いです。

 

次回はこれらと汚し塗料の組み合わせについて紹介します。