そうねんのんびり創作記

のんびり作ったものをのんびり紹介します。

つや消し塗料と汚し塗装の組み合わせサンプルを作る(1) つや消しクリアーを比較

まずは手持ちのつや消しクリアー塗料を改めて比較してみようと思います。塗装条件等は過去記事を参照してください。

<過去記事>

〇つや消し塗料と汚し塗装の組み合わせサンプルを作る(序) 塗料選択と塗装作業

 

今回試してみるつや消しクリアーはこちらです。これらの塗料と、スプレーのトップコートも1点比較します。

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以下、A~Hとします。それぞれの説明は後述します。

A:クレオスMrトップコートプレミアムクリアーつや消し(スプレー)

B:クレオスC182 スーパークリアーつや消し

C:クレオスGX114 スーパースムースクリアーつや消し

D:ガイアノーツEX04フラットクリアー

E:ガイアノーツEX04フラットクリアー+クレオスH189フラットベースなめらかスムース

F:クレオスGX114 スーパースムースクリアーつや消し(Cより高濃度)

G:クレオス水性ホビーカラーH20 つや消しクリアー

H:クレオス水性ホビーカラーH20 つや消しクリアー(Gより低濃度)

I:クレオス水性ホビーカラーH30 光沢クリアー+H104プレミアムフラットベース

※FとH以外は、すべて1.5mLのうすめ液に約0.2mLの塗料を加えています。

 

結果

比較しやすいように並べて一覧にしてみました。

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つや消し塗料比較A つや消し塗料比較B つや消し塗料比較C

つや消し塗料比較D つや消し塗料比較E つや消し塗料比較F

つや消し塗料比較G つや消し塗料比較H つや消し塗料比較I

実際にスプーンを並べて眺めてみると、一つずつ表情が違っていて面白かったです。それでは、一つずつ見ていこうと思います。

 

設定紹介

A:クレオスMrトップコートプレミアムクリアーつや消しスプレー

つや消し塗料比較A  

エアブラシ導入前に一番使っていた、スプレー缶のプレミアムクリアーつや消しです。スプレー缶のつや消しの中では一番きめが細かいと感じて、お気に入りでした。空き缶が大量生産されることから、エアブラシ導入を決心しました。エアブラシへの移行については過去記事で紹介していますので、よかったら参照してください。

<過去記事>

〇塗装ブースを自作してみた(0) エアブラシ導入へ

2年も前の記事ですが、このころからの自分の変化はメテオを卒業したことです。

 

B:クレオスC182 スーパークリアーつや消し

つや消し塗料比較B

スプレーに比べてさらにきめが細かく、光源の輪郭がまったく見えなくなるくらいしっかりとつや消しに仕上がっています。光の照り返しがぼんやりと白んでおり、落ち着いた雰囲気になりました。

 

C:クレオスGX114 スーパースムースクリアーつや消し

つや消し塗料比較C 

スーパークリアつや消し(B)と比較すると、きめ細やかにつや消しになりつつも、光の照り返しはやや強めです。その分、光の反射があるところとないところのコントラストが効いています。すこしギラつきを残したいときによい雰囲気が出そうです。うすめ液1.5mLに約0.2mLの塗料を加えたのですが、もっと濃くしたバージョンをFで後述します。

 

D:ガイアノーツEX04フラットクリアー

つや消し塗料比較D 

ガイアさんのつや消しクリアーです。特にメタリック塗料で感じていたことなのですが、ガイアさんの塗料は、光の反射がうまく演出されてギラツキがでてカッコいいです。つや消しも同じ印象を受けました。きめの細かさはCで紹介したGX114と同等ですが、照り返しはこちらの方が強く出ています。黒系の機体で、凄みを効かせたいときに、よい雰囲気を出してくれそうです。

 

E:ガイアノーツEX04フラットクリアー+クレオスH189フラットベースなめらかスムース

つや消し塗料比較E   

何かの記事で読んで、試してみたらすごくよかったのがこの組み合わせでした。ガイアさんのEX04フラットクリアーの瓶には、ちょうどH189フラットベース一本分が丸ごと入る空き容量があります。そこへフラットベースを丸ごと投入し、これでもかというくらいかき混ぜたものです。フラットクリアー単体(D)に比べるとしっとりきめ細かく、程よく照り返しもあってとてもいい雰囲気です。写真の雰囲気としてはGX114スーパースムース(C)に近いのですが、肉眼ではより強くコントラストが効いているように感じます。

 

F:クレオスGX114 スーパースムースクリアーつや消し(Cより高濃度)

つや消し塗料比較F 

前述(C)のGX114を高濃度で試しました。(C)で照り返しが強く出たのは濃度が薄すぎたためとも感じたからです。今度はうすめ液と塗料が約1:1です。思った通り、(C)の濃度と比べて照り返しはかなり穏やかになりました。C182スーパークリア(B)よりもきめが細かく、その分程よく光を反射して大人の落ち着きを感じます。こちらが本来のこの塗料の力なのかもしれません。

 

GとH:クレオス水性ホビーカラーH20 つや消しクリアー

Gつや消し塗料比較G

今回、水性つや消しの難しさを痛感しました。B~Fまでのラッカー系と同じように吹いたのですが、光源の輪郭が見えるくらい、つやの消え方は不十分です。また、なぜか白い汚れが浮き出ています。前者は濃度が低すぎるため、後者は濃度が高すぎるためにおこる現象のように見えたのですが、正直よくわかりません。そこで、ひとまず濃度を落として試してみることにしました。それが次の(H)です。

Hつや消し塗料比較H

当然のことながら、Gよりもさらにはっきり光源が映り込み、もはやつや消しとは言えない状況になっています。また、G同様の白い汚れがやはり目立ちます。逆にもっと濃い条件が必要だったのかもしれませんが、それについてはまた別の機会に検証してみようと思っています。

 

I:クレオス水性ホビーカラーH30 光沢クリアー+H104プレミアムフラットベース

つや消し塗料比較I 

水性ホビーカラーの光沢クリアーにクレオスさんのプレミアムフラットベースを約2mL(体積比で約20%)混ぜたものです。実は、スプレーを使わなくなってからしばらくはこれをトップコートとして使っていました。スプレー缶の中身に一番近いと思ったからです。しかし、とある模型店で聞いたのですが、プレミアムフラット系はもう生産中止になっているそうです。なので、今回は参考程度に載せておきます。濃度が少し低いようにも思いますが、仕上がりの印象はAのスプレーに一番近いものになっています。

 

一言につや消し塗料といっても、一つ一つ特徴があり、求める仕上がりによって使い分けができそうです。好みも分かれるところだと思うので、皆さんの塗料選びの参考になれば幸いです。

 

次回はこれらと汚し塗料の組み合わせについて紹介します。